Q: 点火について
2006-07-11  質問者:パタリロさん
こんにちは、いつもお世話になっております
おかげさまで私のXS650Eは快調に走っております
本日は友人のTX650についての質問なのですが
もともとフルトラ車であったのを前のオーナーがポイント点火に換えています
そこで友人はフルトラに戻そうと考えてるみたいなのですが
私はポイント点火の方が良いのではないかと思うのですが
メンテナンス性以外にセミトラやフルトラのメリットというのは何があるのでしょうか?
A:お答えします
こんにちは。


ポイントかフルトラか悩むところですね。両方に短所と長所がありますから。
XSですと現時点ではポイントに軍配を上げますが、将来的には優れたフルトラキットの出現を期待します。


トランジスター点火の出現は、現在も続くメンテフリー化の始まりではないでしょうか?
本来マニアックな乗物として普及したモーターサイクルをより一般的にしようと考えた時期だと思います。


その後の80年代に女性も含んだバイクの大ブームが到来します。ご存知「HY戦争」の時代です。
ポイントの接点磨き、ギャップ調整、点火時期調整が必要な乗物だとここまでの普及はなかったでしょう。


当時のフルトラは単純で、現在の最新技術を駆使した電子点火システムとは較べるまでもありません。
ただ単にメンテフリーを実現しただけだと思います。それ以上でも以下でもない代物ではないでしょうか?


最大の欠点は突然壊れ、壊れたら直しようがないことです。また電圧降下に弱いのも弱点です。
ポイントだったら9V位まで下がっても、何とか火が飛びますが、フルトラは11Vで飛ばなくなります。


逆にポイントの欠点は進角も機械式だと言う事です。ポイント以外にガバナーのメンテも欠かせません。
進角ガバナーの劣化による不調は思った以上に多いと感じています。本調子を出すには重要な個所ですよ。


フルトラの場合は進角も当然電子式です。XSの場合は2段階で進角すると思います。
結果的にスムーズな乗り味が得られますが、逆に言うと機械式のドカンいう加速感が失われます。


実際は細かく進角した方が速いんですが、不思議な物で体感では急に進角すると加速感を感じますね。
冒頭で述べた「ポイントに軍配」の最大の理由はXSのフルトラ部品が入手できないからなんです。


要するにXSのフルトラは壊れたら終わりで直せないんです。ボイヤー製に変えるしか方法がありません。
ポイントの場合は今のところ部品はOKです。進角ガバナーも新品が入手できますので完璧に直せます。


最後にポイントの面白さは点火時期や進角時期、進角度合いを自由に設定できる点にあります。
マニュアルにこだわらずに色々設定を変えてみると面白いほどエンジンの性格が変わりますよ。


自分だけのオリジナルセッティングが楽しめるわけですね。フルトラですとそうはいきません。
結論はだしづらいですね。どちらが良いかは本人の考え方次第です。


僕自信、メチャ高性能なフルトラキットが出たら絶対付けてみたくなると思います。
アールプロ門倉

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