Q: ベースパッキンからのオイルもれ
2006-09-22  質問者:札幌市 山田さん
 XS1Bのエンジンの腰上を分解し組んだところ、走り終えた後に、ベースパッキンからじんわりとぬれたようにオイルがもれます。雫となるほどではないですが気になり気分が悪いです。締め付けトルクは規定通り、パッキン、Oリングは新品です。何かコツがあるのなら教えてください。
A:お答えします
こんにちは。


コツと言うか経験を積む事でしょうね。これで一つ経験を積んだ事になりますね。
車の運転と似ています。路地から自転車が飛び出してくる、次はその場所は注意しますよね。


さて本題に入りましょう。徹夜でエンジン組んで、オイル漏れで再組み立てなんて良くありました。
次の日に納車の約束です。もう失敗は許されない状況です。ここで何を考えるかです。


古いガスケットをきれいに取り去り、脱脂して液状ガスケットを薄く塗り、新品のガスケットを
張り付けて、上物を固定します。これが基本ですよね。問題はなかったですか?


シリンダーにピストンを挿入する時にここが汚されていませんか?ここまで問題なければ、
なぜここからオイルが滲むかを考えます。慎重に分解してオイルの通路を確認します。


原因はさまざまですね。O-リングの当たる場所が汚れていたり、ズレていたり。
キッチリ液状ガスケットが塗られてなかったりという可能性もあります。


最悪のケースとしては、合わせ面が歪んでいてキッチリ密着しない場合もあります。
旧車のエンジンの材質と現行車のエンジンの材質はまったく異なります。


昔のアルミは柔らかく歪みやすいですね、そのかわりバフを掛けやすく光ります。
今は完全にダイキャストとなり、硬くて割れやすいのが特徴です。磨いても光りません。


そうなんです、昔のエンジンは合わせ面が歪みやすいんです。
スタッドボルトで部分的に圧が掛けられ、大きな熱や振動にさらされます。


歪みの疑いがある場合はスタッドを外しオイルストーンで面だしします。
当然シリンダー側も同様に磨きます。これをやると古いガスケット後もきれいになります。


最初に組む段階で「どこまでやらなければならないか」という判断をしなければなりません。
ここで経験が必要になってくるのです。この状態だとこの程度は必要という判断です。


POP吉村の書物に「エンジンの組み立ては脱脂と潤滑をキッチリ区分けする」と書かれています。
この言葉が大好きで、エンジン組みたて時にはいつもこれを考えながら作業しています。


アールプロ門倉

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