Q: エンジンはかかったのですが?
2007-04-17  質問者:安原大鶴さん
先日はご回答ありがとうございました。
エンジンはかかったのですが回転を上げると引っ掛かりがあるように感じるのとバッテリーの電気が食われてしまいます。本日20分ほど走行したのですが電圧がどんどん減ってしまいます。ちなみにプラグは真っ黒でした。 どこをチェックすればいいのでしょうか?
できましたらご指導のほどよろしくお願い致します。
A:お答えします
こんにちは。

ご質問の要点は2点ですね!「回転を上げると引っ掛かりがあるように感じる」
のと「バッテリーの電気が食われてしまいます」という点でしょう。


言いかえれば、キャブセッテイングの問題と充電不良が疑わしいですね。
この症状ですと点火時期や進角も影響しますが、上記2点について考えてみましょう。


よく「キャブはOHしました」と言う言葉を聞きます。OHってなんでしょうか?
分解掃除ですか、分解掃除だけで充分なんでしょうか?


キャブはものすごく繊細なバランスの上で成り立っています。
アイドル時や加速時、高速時も常に安定した空燃比を維持しなければなりません。


空燃比とは空気とガソリンの混合比率で15:1が理論上爆発に適するとされています。


空気の量はスロットルバルブの開度で制御されますので、
それに見合ったガソリンを供給しなければなりません。


パイロットジェット、メインジェット、ニードルジェット、ジェットニードルで制御されます。


そうなんです。分解掃除だけではなく、どの部分でガスが足りなく、
どの部分でガスが多いかを探り、それを補正してあげなければなりません。


それを、キャブセッテイングといいます。古くなってキャブ自体の通路が細くなったり、
逆に広がったりの場合は初期のジェットでは合わなくなっている場合があるんです。


ですから、マニュアル記載のジェットの番手では合わなくなっている場合も多々あります。
どんな組み合わせをしても良いバランスが得られない場合は、キャブが死んだと判断します。


その場合は新品キャブの装着をお薦めします。僕はキャブは消耗品だと思っています。
純正にこだわらずに、扱いやすいキャブを付けるのが良いでしょう。


次に充電不良ですね。「旧車を制するポイントは電気とキャブだ」と良く言われます。
まさしく今回の内容通りの言葉と言えますね。


この年代のルーカス製ジェネレーターは単相交流マグネット式です。
永久磁石のローターを回して発電しているんですが、ほとんどの車両は磁力が低化しています。


ツイン用の大きいローターは台湾製の格安リプロ品があり、気楽に交換できるんですが、
トラカブ用の小さい物は、ルーカス純正しかなく大変高価です。


どこかの工場で着磁できるという話は聞いたんですが、詳しい内容は不明です。
年式により6Vと12Vが存在しますが、この際12Vの新品ジェネレーターへの交換をお薦めします。


ローター、ステーター、レクチファイヤーとすべて交換すれば、安心して乗れるようになりますよ。
アールプロ門倉

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