Q: tx750不調について
2008-04-25  質問者:tx750さん
以前xsでお世話になりありがとうございました。親族がtx750を持っており不調で先日ばらしまですませました。ぜひご教授頂けるとありがたいです。不調状況?黒煙 キャブ調整きかずプラグもきつね色にならない?オイル交換後もすぐに熱で黒くなり使い物にならない?シリンダ、ヘッドの温度が高めになる xsやwよりかなり熱くなります *バルブクリアランス(多少広め)、点火タイミング調整は問題なし *ばらし後の状況 ピストンヘッド、バルブへのカーボンが少し多めに付着 シリンダ、ピストンの縦傷なし クリアランスは0、085?0.095
バルブの当たりは広めで少し段差があり(カーボンで段差に見えるだけなのかもしれない 未分解のため) 但しシールからのオイル下がりの跡は見られない 吸気の2次エアによるオーバーヒートは考えられる ヘッド シリンダガスケット平面にオイルが滲んでいる 破損傷はなし 自分はあくまで素人ですが何とか本人も完璧にしたいとのことで手助けしたいと思っております。前オーナーのキャブのいじりセッティング変更、いじり壊し、バルブシール擦り合せ等考えられますが、どこから調べれば良いか悩んでいます。何卒よろしくお願いいたします。またtx750の部品加工、リプロ部品は出しておられませんでしょうか?あわせてお教え頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
A:お答えします
こんにちは。


う?ん!お問い合わせを読んでいて、やっぱりそうなんだ!って思いました。
2年程前、米国のMikes-XSの代表、Mike Lalonde氏との会話です。


日本には少数だが、TX500とTX750のファンがいて、オーナーは部品に困っている。
補修パーツを作れば、多少の需要はありますよ。・・・・と僕が提案した。


ちなみに、僕と彼は同じ年齢で、彼は若い頃ヤマハ系ディーラーのメカをやっていました。
彼は僕の提案に対して、即座にこう答えました・・・・「TX750は欠陥車だ!」


1975年頃、USヤマハでは、新車TX750のトラブル多発で大問題となっていたそうです。
熱対策がうまく行かず、ヘッドの歪みやひどい場合はクラックが発生したようです。


米国の苛酷な使用状況下で、ほとんどの車両がトラブルに見舞われ、
ディーラー系のメカニックはトラブル処理に大わらわだったようですね。


そんな関係か、米国のTX750は残存数が極めて少ないということです。
そういわれてみれば日本でも、他の車種に較べて残存数は少ない感じですよね。


【伝え聞いた話で、内容は未確認です。事実と相違する場合や誇張されている可能性もあります。関係者各位にご迷惑が及ぶ場合は、ご容赦頂きますようお願い申し上げます。】



すみません!!トラブル相談に対するお答えがまるで無いですね!!
それでは、車種に関係なく一般的な4ストロークエンジンとしてお答えします。


お問い合わせに記載された、症状の分析から始めましょう。
?の「黒煙」となると原因はキャブですよね?オイルが燃えていれば白煙となります。


?の「シリンダ、ヘッドの温度が高めになる」とのことですが、ここに矛盾を感じます。
黒煙が出る程ガスが濃いわけですね?ガスが濃いとエンジンを冷し高温になりません!


それに高回転も回らないと思います。それとも低回転域だけが濃いのでしょうか?


次に*欄の「クリアランス0.085?0.095」はちょっと広すぎな感じですね。
リミットいっぱいかオーバーの瀬戸際でしょうか?


リングギャップはどうですか? もし0.5mm以上だったら、何とかしないとダメですね!
ピストンやリングが手に入らない場合は、シリンダー側を合わせる方法で修理できます。


まずピストンを磨きます。傷がある場合は傷が取れる位まで磨きこみます。
左右のサイズと重量をそろえたら、そのサイズに合うシリンダースリーブを製作します。


スリーブを打ち込み、規定値(たぶん5/100mm位でしょう)に合わせてボーリングし、
ホーニング加工を施します。最後にピストンリングのギャップを規定値に合わせます。


ただし、この方法は最終手段です! 通常は合いそうなピストン探しから始めます。
ピストンもリングも新品のほうが良い事は明白ですからね!


ボア、ピン径、ピンハイト、バルブ数が同じであれば、ほぼ使用可能です。
・・・ふと、思いついたのがXS650用750ccキットのピストン!!


なんと80mmと81mmがあります!! ピン径が合えば・・・・・・・・


「バルブの当たりは広めで少し段差があり・・・・とありますが、段差は最悪です!
絶対交換が必要ですが、国産車でそこまでなるかな??という疑問もあります。


とりあえず分解して、バルブ周りの点検ですね、ここもきっちりと直しましょう。
ところで、ピストンは何が使える?バルブは何が流用できる?バルブシールは何が合う?


そういった情報は内燃機屋さんがたくさん持っていて、すごく頼りになります。
聞いても絶対に教えてはくれませんが、このエンジン部品無くて困ってるんだよ・・・・


こんな感じで持ち込むと、絶対に何とかしてくれます。是非ご相談下さい。


次に「吸気の2次エアによるオーバーヒートは考えられる」 とありますが、
2次エアーのオーバーヒートですと、プラグは絶対に真っ白になります。


「プラグもきつね色にならない」と書かれていますが、何色になるのでしょうか?
「ヘッドガスケット面にオイルが滲んでいる」ここがキーポイントではないでしょうか?


推測ですが、ヘッド面からオイル混じりのエアーを吸っている可能性が・・・?
もし、カムチェーンのトンネル部分から、2次エアーを吸っていると仮定すると、


オイル混じりの吸気となります。この場合オーバーヒートしますがプラグは黒くなります。
排気もオイルが燃えますので白っぽい(黒い?)煙が出ます。


また、排気ガスがクランクケース内に侵入するため、オイルも汚れ、いやな匂いが出ます。
すべてつじつまが合うような気がするんですが?その辺を徹底的に調べてみてください。

 
アールプロ門倉

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