Q: ミッションが入りにくい
2008-09-03  質問者:xsさん
XS-1に乗ってますが、最近エンジンが温まるとミッションが入りにくくなります。クラッチは切れてると思います。
特に4→5速が入りにくいのですが、どんな原因が考えられますか
オイルは指定の10W-40で、特に硬いとも思われません。
A:お答えします
こんにちは。


今回のキーワードは「エンジンが温まると」ですね! 冷えている時はOKな訳です。
それではエンジンが温まるとどうなるか検証してみましょう。



「クラッチ板の膨張」 クラッチのON-OFFは隙間の有無です。
クラッチを切る=フリクションプレートとスチールプレートの間に隙間を作るです。


熱を持つと金属を含むあらゆる物が膨張します!
言い換えると熱を持つと隙間が少なくなります。冷えている時より少ないんです!


冷えている時ではなく、チンチンに熱を持った状態でクラッチ調整をして下さい。



「オイルの粘度」 オイルは熱を持つほど柔らかくなります。
この場合硬いのが問題では無く、柔らかすぎる事を問題にすべきです。


オイルの粘度低下により、摩擦抵抗が増しさらに熱を持ってしまう悪循環に陥ります。
40年前と現在の夏は同じ気温でしょうか? 車両の数、信号の数は同じでしょうか?


僕は指定粘度の10w-40では、現状において柔らかすぎると考えています。
品質の良い20w-50を選択すべきだと思います。



「4→5速が入りにくい」と言うことは5→4速は問題ないんですね!!
掻き上げは悪いが踏み込みは問題ない!あるいはその逆の場合も、


ギヤセレクターレバーの調整不良が考えられます。
下の画像をご覧下さい!ここに調整方法が記されています。


上画像の左下○がチェンジシャフトです。ペダルを踏み込むと右回転しレバー2が右に、
掻き上げると左回転し、レバー2は左に移動します。



2枚目画像をご覧下さい。レバー2がシフトドラムを回転させ、ギヤを変えています。
さて、ここに記されている重要なことは"A"="AA"でなければならないと言う事です!


左右のクリアランスが異なると、上げ下げが同一の移動量ではなくなります。
結果として「掻き上げは悪いが踏み込みは問題ない」という現象が発生します。


調整は簡単です!Lock nutをゆるめ、Adj screwを回転して"A"="AA"に調整します。
場所は右カバーを開ければクラッチ後方にありますのですぐに発見できます!


最後にLock nutを締めて固定すればOKです。カバーを付けて硬めのオイルを入れてください。
以上3項目で完璧に直ると思いますよ!頑張ってください!!


アールプロ門倉

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