Q: ピストンリングが・・・。
2008-10-27  質問者:なかじさん
お世話になります。
左側のご回答有難うございます!!

液ガスはスリーボンドの1207Bがあるのでそれを使用予定でしたが、
門倉殿お勧めの物を探してみようと思います。
丁寧にご説明頂き有難うございました!

そんなこんなで本日ピストンにピストンリングを組み込んでいたのですが、ここで事件が!!

セカンドリングが真っ二つになってしまいました・・・。

工具店で「ピストンリングプライヤー」なるものをみつけたので、
それで開いて入れようとしたのですが、入れようとした時にピストンリングが割れてしまいました(涙)

今ヤマハにデッドストックが無いか調べてもらっていますが、
最悪見つからない場合はオーバーサイズにするしか手は無いでしょうか?
シリンダー、ピストン共にクリアランスも規定値内のため、
出来ればオーバーサイズではなくピストンリングのみの交換としたいと思っております。

他車種流用等、何か良い手をご存じないでしょうか?
宜しくお願い致します。
A:お答えします
こんにちは。


リングが折れると言うことは、そのリングは使用限界(寿命)とお考え下さい。
ある程度高温で使用されたリングは、張力を失い折れやすくなります。


例え今回折れなかったとしても、張力を失ったリングでは圧縮維持もオイルかきも
満足いく能力は期待できなかったでしょう! 良かった、良かった・・ですね。


さて、今回もそうですが、リングだけ交換するとか、ピストンやリングの磨耗が
規定値内だからそのまま再使用するとか言う話を良く耳にします。


「本当にそれで良いんですか?」僕にしてみれば信じられない話です・・・・・


ピストンやリング、シリンダーはタイヤと同じように消耗品なんです。
新品を皮むき(慣らし)して、9部山から6部山くらいが一番の使い頃ですよね。


5部山以降は本来のグリップは得られないので、雨の日は気をつけて走りましょう。
2部山で次の車検は無理だし、危ないから早めに交換を考えます。


エンジンも同様でクリアランス5/100mmで設定し、使用限界は10/100mmです。
慣らしが終えて6/100mm?7/100mmが一番の使い頃でしょう。


「規定値内だからと言って、すべてイコールコンディションではありません」


それにシリンダーはビヤダル状に磨耗します。中央部のピストンスピードが
一番早い事が原因で、上死点や下死点とは磨耗の度合いが異なるんです。


ですから、エンジンを開けたら、絶対にオーバーサイズを組み込むようお奨めしています。
最大の理由はコスト面と作業量、そして自分の手で慣らしする充実感です。


エンジンを一度開けるとガスケットやO/S、カムチェーン等変えなければならない部品が
多数あり、コスト的にかなりの負担となります。また作業的にも大ごとです。


2、3年でまたOHが必要になるのであれば、いま新車状態に仕上げて、
10年間、不安なく楽しんだほうが得策ではないでしょうか?


また、新品状態のエンジンを自分の手で納得いく「慣らし」を施せると言うのも魅力です。
回転数の管理から、オイル管理、温度管理の徹底で最高のエンジンに仕上げられます。


貴殿との考え方の相違が著しかった為、思わぬ方向に脱線してしまいました。
当社もそうですが、MIKES-XSもSTDピストンやリングを扱わない理由はそこにあります。


「せっかく開けてオーバーサイズを入れないのはナンセンス!」と言う考え方です。


5部山の中古タイヤではおいしい所は使い切っていますよ!
アールプロ門倉

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