Q:
6V単相交流発電 整流器レクチ |
2010-11-05
質問者:桜さん
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御願いします!1968年ヤマハDT1に取り付けできる整流器を探しています。貴社に有りましたら教えて下さい。また取り付け方なども宜しく。 |
A:お答えします |
お問い合わせありがとうございます。
それではいつもの通り、配線図からシステムを読み解いていきましょう!
しかしヤマハの配線図は見るたびにムカツキますね!子供だましみたいな配線図使うな?!
DT1の配線図は非常に解りづらいので、ほぼ同じシステムのDT250で解説していきます。
「DT1配線図」 「DT250配線図」
エンジンからの配線が4本で、1本が直接IGコイルに繋がりますので、フラマグ点火と解りますね。
この年代の点火方式は主に2種類で、このフラマグ点火とバッテリー点火に大別できます。
最近良くお問い合わせ頂くCB250,CB450やXS650はバッテリー電源でIGコイルが火を飛ばす、
バッテリー点火です。これは要するに直流の点火システムです!
一方オフロード車に多く見られるフラマグ点火は、正しくはフライホイールマグネトー点火と言い、
マグネトー(発電コイル)で発電された交流電源を直接IGコイルに持って行き火を飛ばします。
ですからこちらの場合は、交流の点火システムと言う事になります。
このシステムの利点はバッテリーが上がっても火は飛び、バッテリーレスも可能となります。
両システムとも、'70年代はポイントを使用しますが、'80年代にはバッテリー点火がフルトラに、
フラマグ点火がCDIに進化していきます。 ここがフルトラとCDIの違いなんです!!
バッテリー点火の場合は発電した電気はすべて整流され、バッテリーに蓄えられますが、
フラマグ点火の場合は必要な分だけ整流され、バッテリーに蓄えられます。
そもそも整流とは交流を直流に変換する事で、その行為だけで20%?50%の電気をロスします。
バッテリーに蓄えなくてもよければ、交流のまま使ったほうがはるかに高効率なんです!
そんな訳でDT1、DT250のヘッドライトやテールライトは交流電源のまま使われています。
エンジンから出ている配線の内、ライト系は黄、点火系が黒/白で、両方とも交流のままです。
残りの緑/赤と薄緑が充電系なんですが、この車両も夜間強制充電回路がありそうですね??
充電が弱い場合は「裏技」でこの回路が使えるかもしれません? 要実車確認です!!
さて、いよいよ本題のレクチファイヤーですが、充電系の配線 緑/赤と薄緑は白に繋がり、
DT1は Silicone rectifier を経て赤に繋がってバッテリー(+)に入ります。
DT250も同様に白に繋がり、のマークを経て赤に繋がってから、
バッテリー(+)に入っています。ちなみにこのマークは整流ダイオードのマークなんです!
当然 Silicone rectifier も整流ダイオードの事ですから両方とも同じ回路と言えます。
ここで注目しなければいけない事は、ダイオードが1個だと言う事です!下図をご覧下さい。
(趣味の電子回路工作より引用)
ダイオードとは、A→Cには電流は流れるが、その逆は流れない半導体です。
ご存知の通り、交流は相互方向に電流が流れています、回路の途中にこれを入れると、
一方向にのみ電流が流れますので、直流に変換した事になります。
これを半波整流と言い、A→C(上の波)を生かし、C→A(下の波)を捨てて整流した訳です。
この場合の交流線は1本になり、(+)線のみで出力されます、(?)側はアースされています。
一方、下図の全波整流はダイオード4個を橋渡しして、A→C(上の波)とC→A(下の波)すべてを
直流に変換する優れものです。この場合は交流線が2本必要になります。
さていよいよ本題に入ります!!当社で扱います単体レクチはもちろん全波整流用です。
(¥5,800)
そうするとDT1には使えないのか?? 答は 「使える」 なんです!!
配線図を見れば解ります! 白線を交流線(1)に繋ぎ、赤線を(+)に繋げばOKです。
要するに画像左上に白線、右上に赤線を繋げれば、ダイオード1個のみ繋げた事になります。
これで純正ノーマルと同じ充電システムとなります。
この状態で裏技の夜間強制充電回路が使えれば、当然充電が強化される事になります。
それでも充電が弱い場合は、奥の手で全波整流に改造する方法もあります。
この場合はコイルの配線を改造しなければなりませんので、少々厄介ですが・・・
6vの場合はレギュレターの入手が難しいので、電圧の上げすぎも考え物なんです。
電気系のチューンナップもやってみると楽しいですよ!是非楽しんで下さい!!
アールプロ門倉 |
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